理 念

  「卑弥呼の墓 発掘プロジェクト」を進めるに当たって、次の事項が重要と考えます。

 

 ・周辺地域の住民の皆様の迷惑にならないこと

 ・周辺地域の住民の皆様の利益になること

 ・当該自治体の利益になること

 ・法令遵守

 

 好奇心だけで発掘プロジェクトを実行しては、ただの迷惑行為になってしまいます。

現在その地に生活している人々があっての発掘調査です。特に福井市丸山周辺は住宅地となっており、いたずらに脚光を浴びせる事は、この地で普通に生活している無関係な方々にとっては迷惑以外の何ものでもありません。

 また、このプロジェクトには不確定要素が多く、たとえ調査に着手できたとしても、思い描く様な出土品が見つかる可能性は高くありません。

 「何も見つからなかった」・・・その場合でも、何らかの利益を地元の人々に還元できる方法を常に考えておく事が、最も重要であると考えます。

 

 発掘調査の基本は、考古学の方法により遺跡を解体しながらその内容を記録し、文化や歴史の具体像を復元する事です。それと同時に、調査成果を社会へ還元する意味を持っています。

 遺跡は一度発掘されると、二度と回復できない宿命をもっています。それだけに調査を行う場合には、必要最小限の範囲で慎重に行い、重要な遺跡はそのまま将来に伝えるべきであるという原則を遵守してまいります。

 

 なお発掘調査については、その適切な実施を確保するために事前の届出を義務づけ、保護上必要な場合には発掘の禁止・停止等を命令しうる制度が設けられています(文化財保護法第92条3)。

 法令に基づいて行なわれるこれらの措置は、文化庁と地方公共団体教育委員会との連携によって組織的に実施されてきました。

 民間主導で行うこのプロジェクトも、法令遵守の基に進めてまいります。