素粒子ミュオンによる透視

 「大地のレントゲン写真」とも呼ばれる素粒子ミュオンによる透視(ミュオグラフィ)の技術が進んでいます。

 これまで火山を透視することでマグマの状態を調べたり、一部の古墳を透視する実験が行われています。まだまだ実験段階の域を超えていませんが、将来的に手軽に用いられて行く手法である事は間違いありません。医療分野で当然の様にレントゲンが用いられていますが、50年前には想像もつきませんでした。同じように、地球を手軽にレントゲン診断できるようになるのです。

火山のミュオグラフィ
火山のミュオグラフィ

 2020年2月時点で、古墳の非破壊検査に用いられている事例は三つあります。

 

1.奈良県の春日古墳

2.奈良県の箸墓古墳

3.大阪府の今城塚古墳

 

  1. 奈良県の春日古墳は、6世紀から7世紀に掛けての古墳です。橿原考古学研究所と名古屋大学の研究チームが2018年にミュオンによる調査を行い、長さ6メートルの石室がある事を突き止めました。
  2. 奈良県の箸墓古墳は、よく知られているように弥生時代末期の古墳で、狗奴国の男王・卑弥弓呼の墓と比定される場所です。同じく橿原考古学研究所と名古屋大学の研究チームが2020年から調査を開始しています。
  3. 大阪府の今城塚古墳は、六世紀中庸の継体天皇の墓とされている古墳です。関西大学、東京大学、ハンガリーウイグナー物理学研究センター、高槻市の共同プロジェクトで、2019年から開始しています。

 非破壊による古墳の内部透視という理想的な技術です。これまで大学と公的研究所が共同で実験していますが、広く民間でも実施される事を期待します。

 卑弥呼の墓 発掘プロジェクトでも、福井県のバックアップがあれば、大学と共同してミュオンによる丸山古墳の発掘調査が可能でしょう。

 

プロジェクト案

               phase 1

               phase 2

               phase 3

               phase 4

               素粒子ミュオンによる透視