候補地の過多

 邪馬台国の所在地については、現在のところ、畿内説と九州説に二分されています。しかし、どちらの説も矛盾点が多く、必ずしも、どちらかの説が正しいという訳ではありません。

 九州説の矛盾点追及は、なかなか難しいです。畿内説であれば、奈良盆地南部にほぼ集約されているので、纏向遺跡を追及するだけで、畿内説の否定につながります。ところが九州説は、九州全域に渡って、諸説入り乱れているのが現状です。

 九州説の否定は、一筋縄では行きません。

 

 九州説の否定は、いわばモグラ叩きゲームのようなものです。一つの説を叩くと、九州の別の場所から説が現れる、という感じです。これは、中国や朝鮮に近いという地理的な好条件から、

 

① 九州全域に渡って貴重な出土品が、発掘されている事

② 古事記や日本書紀が、日本の起源が九州であるかの様に書かれている事

 

などによるものです。

モグラ叩きゲーム
九州説はモグラのように、次から次へと出てくる。

九州説候補地
九州説は、候補地だらけ

 

 まずは、地域を分けて追及していく事にします。

 

・筑後川流域の筑紫平野

・博多湾周辺地域

・熊本阿蘇地域

・日向地方

 

の四つに分けて矛盾点を追及します。

 

 ここに、主な候補地30ヶ所をポイントしました。このうち人気があるのは、甘木朝倉、博多湾沿岸、吉野ヶ里遺跡です。いずれも北部九州地方です。そのほか、神武東征の日向高千穂説、熊本説なども時々目にします。

甘木朝倉説は安本美典さん、博多湾沿岸説は古田武彦さん、という九州説の有名な論客が唱えているので、支持者も必然的に多いようです。

九州説否定
九州説の追求:四地域