唐子・鍵遺跡

 

 唐古・鍵遺跡は、奈良盆地中央部、奈良県磯城郡田原本町大字唐古、大字鍵に立地する弥生時代の環濠集落遺跡です。

 遺跡面積は約30万平方メートルと広大で、規模の大きさだけでなく、大型建物の跡地や青銅器鋳造炉など工房の跡地が発見されています。桜井市の纏向遺跡が注目を集めるまでは、畿内説の中心はこの遺跡でした。

 

 

唐子鍵7
唐子・鍵遺跡は、奈良盆地南部

唐子鍵遺跡
唐子・鍵遺跡:奈良盆地南部の田原本町にある。

 実際に、農耕具や開拓用具のほか、土器、青銅器、翡翠なども発掘されており、その数は纏向遺跡を上回ります。また、纏向遺跡が開拓用具が主な出土品で生活感が無いのに比べ、この遺跡は大規模環濠集落跡として、魏志倭人伝の邪馬台国と比定しうる遺跡です。銅鐸の主要な製造地でもあったと見られる遺跡もあり、弥生時代の重要な勢力の拠点があった集落ではないかと見られています。

 下の写真のように、ここから出土した土器に描かれていた多層式の楼閣が遺跡内に復元されています。

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多層式の楼閣
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多層式の楼閣のもとになった石器の絵